SDGsブランディングとは
SDGsブランディングは、SDGsの取り組みを通じて企業のブランド価値を高め、認知度を上げる取り組み。SDGs活動は企業の義務であり、成功すると会社の業績にもプラスの影響を与える可能性がある。
SDGsブランディングという言葉が耳に入ってきたことはありますか?
実はわたし、この言葉を聞いたときに、なんとなく違和感を覚えてしまいました。
というのも、SDGsは永続的に地球、環境、社会にとってイイことをしていくことなので、それを企業の利益のために使うなんて、おかしいのではないか?
なんて思ったからです。
でも、今ではこのSDGsブランディングに関して、わたしは推奨しています。
え、なんで?
と思われるかもしれませんので、ゆっくりと解説していきます。
まずはブランディングという概念に関してです。
ブランディングとは、顧客や取引先、あるいは社会全体に対して、自社と自社の商品やサービスを「独自のもの」として認識してもらい、他社と差別化を図る取り組みのことを指します。
ブランドの価値を高めることも、その取り組みの1つです。
では、そもそもブランドとは何でしょうか?
よく、「ブランド=高級品」と勘違いされますが、そうではありません。
アメリカの経営学者フィリップ・コトラーさんは、
「ブランドとは、個別の売り手または売り手集団の財やサービスを識別させ、競合する売り手の製品やサービスと区別するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、あるいはこれらの組み合わせ」
と定義しています。
ちょっと難しい感じに思われるかもしれませんので、わたしなりの言葉で説明します。
「ブランディングとは、●●と言えば、〇〇だよね、と誰もが思ってくれるようにしていくこと」です。
例えば・・・
「100均と言えば、ダイソーだよね。」
「安心できる車と言えば、TOYOTAだよね」
「牛丼と言えば、吉野家だよね」
といった感じです。
もちろん、個人の趣味・嗜好によっては、ダイソーではなくキャンドゥでしょ、TOYOTAじゃなくて日産でしょ、吉野家より松屋でしょ、という話にもなることもありますが、少なくとも、多くの人がその会社やサービスの特徴をつかんでいるからこそ、会話が成立します。
つまりブランディングとは、「覚えてもらえる(思い出してもらえる)ようにすること」とも言い換えられます。
そして大事なのは、ブランディングは「できるだけ多くの人に好まれるようにすること、ではない!」ということです。
実際に、TOYOTAが好きな人もいれば嫌いな人もいる、吉野家が嫌いな人もいれば大好きな人もいる、ダイソーには行きたくないけどキャンドゥには行きたい人もいるのです。
極端に言ってしまえば、ブランディングとは嫌われるようにすること、なのです。
そうすることで、その反対にファンを増やすことができます。
「SDGs」と「ブランディング」を組み合わせた言葉
さて、なんとなくブランディングについてご理解いただいたところで、ようやくSDGsブランディングについての解説をさせていただきます。
SDGsブランディングは、「SDGs」と「ブランディング」を組み合わせた言葉です。
つまり、SDGsの取り組みを通じて、会社のブランド価値を高めたり、認知度を上げるための取り組み、ということです。
そもそもSDGsとは、世界で推進されている「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」のことを指します。
17のゴールと169のターゲットで構成され、「誰一人取り残さない(leave no one behind)」というテーマのもと、各国で具体的な施策が進められています。
SDGsは、地球環境や社会などの問題に取り組むことになるため、企業がSDGsへの参入をすること自体が社会貢献につながります。
その結果、自社の企業イメージの向上を引き上げることになるため、ブランディングにも活用することができるのです。
・・・ということが、よく言われていますが、実はこれ、ちょっと怖い話です。
というのも、SDGsに取り組まないということは、「わたしたちは地球・環境・社会の持続性に貢献しません」と宣言している、ということになります。
SDGsに取り組まない企業は、社会や顧客からそっぽを向かれ「取り残される」ことになってしまいます。
つまり、SDGs活動は、もはや企業としての義務になってきているのです。
そこに、大きな問題があります。
何かと言えば、「SDGs活動の義務化(法的措置はありません)」→「取り組みのための時間・労力・お金が必要になる」という構図が必然と発生し、会社によっては利益が目減りしてしまうのです。
イイことをしているのに、会社の利益が減るなんて、嫌じゃないですか?
ただ一方で、SDGs活動が会社の発展に貢献しているデータがあります。
帝国データバンク「SDGs に関する企業の意識調査(2023 年)」によると、SDGs への取り組みに関して『効果を実感』している企業の割合は69.2%もあります。
「企業イメージの向上」38.1%
「従業員のモチベーションの向上」32.9%
「採用活動におけるプラスの効果」15.8%
「売り上げの増加」12.7%
などなど、SDGsに取り組むべき結果が出てきています。
つまり、SDGs活動に取り組まない企業は必然と取り残され、SDGsに取り組んだことで会社の業績が悪化する企業と、そしてSDGsに取り組んで好循環になっている企業、という3者に分かれていく時代に突入した、と考えられるのです。
わたしたちは、どのような会社であっても、地球や社会にイイことをして、そして会社も好転していってほしいと願っています。
SDGsに取り組み、好循環企業になっていくために必要なもの。
それがSDGsブランディングです。
「●●って会社さ、本当にいい活動しているんだよね」と覚えてもらうことで、企業価値を高め、会社やサービスの認知度を高めるための施策。
それこそが、SDGsブランディングなのです。
わたしたちアネラは、サステナブルアートの制作等を通じて、クライアント企業様のSDGs活動が広く“伝わる”ようにしていくPRサービスをご提供しております。
詳しくは、サービスページをご参照いただき、お気軽にご連絡をくださいませ。